Postfixの起動

最終更新日:2007年9月8日

Postfixを起動するには、最低限の設定をPostfixの設定ファイルに行っておく必要があります。これはデフォルトで、/etc/postfix 以下のフォルダにあり、この中で特に触る機会の多いファイルはmain.cf で postfixの基本的な設定はこのファイルを編集することで完了します。 以下ではまず、最低限の設定を行いメールサーバとして動作するようにして見ましょう。
なお、メールサーバのFQDN名(ドメイン正式名)とMXはすでにDNSに登録が済んでいるものとします。

1.設定ファイルの編集

まず、main.fc を以下のように設定していきます。
項 目 意  味
 mydomain  ドメイン名を指定します。   mydomain = example.jp
 myhostname  postfixの動作するホスト名をFQDN名で設定します。  myhostname = ms.example.jp
 myorigin  メール送信時の@マーク以後となるアドレスを指定します。  myorigin = $mydomain
 inet_interfaces  postfixが動作するインターフェースを指定します。  inet_interfaces = all
 mydestination  受信メールとして受け付けるメールアドレスを指定します。
 (ここで指定したアドレス宛以外のメールは受け取らない)
 mydestination = $mydomain, $myhostname, localhost.$mydomain, localhost
 mynetworks_style  自サイトと判断を何で判断するかを指定します。  mynetworks_style = subnet
 mynetworks  自サイトのネットワークアドレスを指定します。
 (上記の「mynetworks_style」を指定したことで有効になる)
 mynetworks = 192.168.1.0/24, 127.0.0.0/8
受信したメールの保存先を、sendmailなどと同じmailbox(/var/spool/mail/ユーザIDと同じファイル名)にするなら以上の設定で完了です。 
もし、Maildir形式とするなら以下のパラメータも追加してください
項 目 意  味
home_mailbox メールボックスの名前を指定します。
名前の最後にスラッシュ(/)を付けた場合にはメールボックスは Maildir形式となります。
このパラメータが省略されている場合にはmailbox形式でメールが保持されます。
home_mailbox = Maildir/
この程度を設定をすれば、取りあえずPostfixを起動できるようになります。 インストールで起動スクリプトを作ってある場合には、 これで起動してしてみます。

# /etc/init.d/postfix start
Postfixで指定できる各種のファイルとその機能については、Postfixのぺーじに素晴らしい資料があるのでこちらを参考にすると良いでしょう。
■Tips■ mailbox形式とMaildir形式
現在、LinuxやUnixなどでよく利用される各メールサーバの受信メールデータの格納方式としてmailbox形式と Maildir形式の2通りが存在します。
mailbox形式はsendmail時代からの伝統的な保存形式で、1つのファイルの中にすべての受信データ保存していきます。
これに対してMaildir形式は、受信したメッセージ毎にファイルを作成していく形式で、この特徴からファイルのロックが必要になった場合、メッセージ単位でロックが可能のなるのでNFSなどのネットワークファイルシステムによるデータの保管などにも耐えられる仕様となっています。また、Maildir形式は障害にも強く、mailbox形式では1つのファイルの破損が全メールデータの破損につながるのに対して、Maildir形式では障害は1メッセージ分の範囲で収まります。
しかし、Maildir形式は従来と違う保管形式となるので、POPやIMAPサーバでもこの形式を読み出せるものでないと、受信したメールを読めない事になってしまいますので、Maildir形式を使う場合にはPOPやIMAPサーバも含めた対応が必要になります。

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